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ピアニストからだ理論 <6>

からだの不思議 “解剖学のお話し”
「癖の矯正は早いうちに」

*2011~2014年まで”ameblo.jp/sinfonian/"内で「演奏のための機能解剖学」としてご紹介していた中からの抜粋です






*レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図 イタリア・ルネサンス期の万能の天才と言われた。 多くの人体解剖図を描き医学的にも非常に優れていたとされる。
*レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図 イタリア・ルネサンス期の万能の天才と言われた。 多くの人体解剖図を描き医学的にも非常に優れていたとされる。


ピアノの演奏がぎこちない、弾きにくいと感じる、打鍵にむらがある、音色が固い、ピアニッシモが美しく響かない、特定の音型が苦手、指の動きが鈍い、むくみや腫れ、痛みなどの症状がある人は、一度自分の「手の基本フォーム」がどのような状態になっているか確かめてみてください。


  • 右手または左手のどちらかが、親指主導

  • 両手が、親指主導型


大抵の場合は、どちらかの手が親指主導の動きになっているパターンです。両方というのは、私が20年間ピアノを指導をしてきた生徒さんの中ではごく少数でした。幼少期や小学生の頃にすでに親指主導になっているケースも見受けられます。ピアノの導入~初期にかけての指導をする先生は、しっかりと小指主導型のフォームに矯正してあげてください。子供時代についてしまった親指主導の動きを大人になってから直すのは、本人が非常に苦労します。癖を矯正するには、週に1~2度レッスンに通うペースでかなり真剣に本人が直す意志が強い場合でも小指主導型が完全に習慣化するまでには最低2年ほどかかります。人によってはそれ以上かかります。


私のイギリス留学時代のピアノの師匠だったモスクワ音楽院出身のAndrew Esterhazy氏は、先生ご自身が左半身不随で左手が不自由でした。先生は不自由な身体でも右手が自由に使えるように身体のバランス感覚(軸の取り方)、手のフォームと動きのパターン、全身の使い方などを長い間研究されていた方で、いかにすれば今よりも楽に、自由に、省エネした演奏ができるのかAndrewは常に意識していらっしゃいました。Andrewのところには、世界的のコンクールでファイナルに残るようなピアニストが何人もいます。日本人で有名なピアニストをあげると、熊本マリさん、橋本美弥子さんです。(美弥子さんは留学時代にとてもお世話になった方です)


Andrewのピアノレッスンを週に1度、毎回3時間を受けると、その後とても身体が楽になり解放されるような感覚がありました。当時は解剖学的な知識が全くなかったので理由がわかりませんでしたが、身体の勉強をしなさい、と言ってくれたお陰で帰国してから専門学校で学んだことで、私が手を痛めてしまった理由がよくわかりました。私の場合には、親指主導型になっていたのは右手だけでしたが5歳くらいの時にすでに弾きにくい感覚があり、それ以降28歳になりイギリスへ留学するまでの間にその癖は深く彫り込まれていましたので、親指主導の動きから小指主導型に切り替えるまでにはずいぶんと長い時間を要しました。


私のところには、姿勢の矯正のために入門する方や動きのための解剖学を学びにくる方(指導者も含め)がほとんどなのですが、親指主導の動きになっていることに長い間気がつかなかったという人が圧倒的に多く、ピアノを弾くのにとても苦労をしてきたようなのです。どうして弾きにくいのか、動きづらいのか理由がわからなかったために、才能がない、素質がない、手が小さいから、指が弱いからなどと自分を納得させてきたものの、何故なのか、という疑問が消えないままピアノの先生を何人も変えてきたと言います。直してくれる先生が見つかるまで長い間探していた、という方もいらっしゃいます。指導をされているピアノの先生は、小指主導型が身体の構造に合った正しい使い方であることを生徒さんに説明をしてあげてください。


前腕の回転軸は、小指側の尺骨(しゃっこつ)です。動きにくさや、痛みや故障などを引き起こす原因は、前腕の回転動作の間違いからくるものです。前腕が回転をする時には、尺骨は動かずに静止している状態が正しいのです。前腕の外側から小指までのラインが一直線になるようにピアノでは使います。自分自身の音楽の可能性を広げるためにも、生徒さんの悩みを解消するためにも基本となるフォームの見直しと修正は、できるだけ早い段階で行って下さい。



セラピスト林美希





著書「よくわかるピアニストからだ理論」(出版社ヤマハミュージックメディア)の中で解剖学について執筆させて頂きました。ピアニストの方やピアノ指導者、ピアノ研究家、熱心なピアノ愛好家、調律師等皆様のお役に立てれば幸いです。

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