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ピアニストからだ理論 <22>

からだの不思議 “解剖学のお話し”
「回転動作」

*2011~2014年まで”ameblo.jp/sinfonian/"内で「演奏のための機能解剖学」としてご紹介していた中からの抜粋です






*レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図 イタリア・ルネサンス期の万能の天才と言われた。 多くの人体解剖図を描き医学的にも非常に優れていたとされる。
*レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図 イタリア・ルネサンス期の万能の天才と言われた。 多くの人体解剖図を描き医学的にも非常に優れていたとされる。


ピアノの技術の中でいちばん多く使われるのが「回転」という動作になります。例えば、スケールやアルペジオの音形は楽曲の至る所に出てきますが、回転の動作を上手く行うことができれば非常に美しい音が響きます。弾いている指から前腕、肘、上腕のポジションが”最適な状態”にあれば、鍵盤に指が吸い込まれるように打鍵され、非常に速いパッセージも思うように弾けるようになります。

回転動作が正しく行われれば、前腕の筋肉は強い収縮をすることなく(使いすぎることなく)上腕から指先まで身体のこわばりはほとんどなくなります。実際に回転をしているのが身体のどの部位を指しているかというと前腕です。一般的に誤解をされやすいのは、見た目に動きの大きい”手首”に注目してしまうのですが、回転の動作は、前腕で起こるものであって手首ではありません。


スケールやアルペジオの波打つような美しい軌道を描き「回転の動作」は手首で起こっているように見えますが、実際には前腕の回転によるもので、ピアニストが弾いているのをただ真似て「能動的に手首を回す」ように練習するのは間違いです。手首はあくまでジョイント部分であって運動の主導権をにぎるような動きはありません。


前腕の回転は、小指側へ回ることを外転、親指側へ回ることを内転といいます。回転の動作をスムーズに行うには、上腕が上半身から適度に離れていること、つまり、鍵盤の方向へ(前へ)持ち上げられていることが重要です。腕を鍵盤の方へ(前へ)出す、ということがなかなかできない人が多いように思います。

上腕を前へわずかに持ち上げる動作を、乗馬をしているときのようなスタイル、または、自転車のハンドルを握っているようなスタイル、というような表現をすることがあります。乗馬をするときも自転車に乗っているときも上腕は上半身のすぐわきにあるのではなく、適度に脇の下に余裕があり(空間)、前方向に持ち上げられた状態になっているはずです。


ピアノを弾く時に上腕の役割はとても大きいのですが、回転の動作のとき、前腕から動作が起こっているので上腕はその動きにつられて受動的にわずかに回転を伴います。前腕の回転が正しく行われれば、指の動き合わせて手の甲も左右へわずかに傾きます。これは意識的にゆっくり行なわれる練習の時には目に見えますが、テンポが速くなれば回転動作によって起こるわずかな左右への手の甲の傾きはほとんど見た目にはわかりません。甲が左右へ傾くというのは、(放射状に生えている)1本1本の指に対して最適なポジションがあり、その微調整を手首の高さや甲の傾き、前腕が打鍵している指に対して前腕のポジションが適切な位置にあるか、上腕は適度に持ち上げられているか、などの諸条件を満たしているということです。

 

また、椅子がピアノに近く設置され、椅子の高さを高めに設定している人は、上半身は前へ傾きやすく、腕を長く、しなやかに使うことが難しくなります。ピアノを弾いている本人は気がついていない場合が多いのですが、この基本的なピアノ演奏に関わる「姿勢の取り方」を忘れてしまっているがために、ピアノ演奏のキーポイントとなる”上腕”が使えず、結果、前腕の回転もスムーズに行なえず上達を妨げている人が多いと思います。



セラピスト林美希





著書「よくわかるピアニストからだ理論」(出版社ヤマハミュージックメディア)の中で解剖学について執筆させて頂きました。ピアニストの方やピアノ指導者、ピアノ研究家、熱心なピアノ愛好家、調律師等皆様のお役に立てれば幸いです。

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