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ピアニストからだ理論 <14>

からだの不思議 “解剖学のお話し”
「感覚受容器」

*2011~2014年まで”ameblo.jp/sinfonian/"内で「演奏のための機能解剖学」としてご紹介していた中からの抜粋です






*レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図 イタリア・ルネサンス期の万能の天才と言われた。 多くの人体解剖図を描き医学的にも非常に優れていたとされる。
*レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図 イタリア・ルネサンス期の万能の天才と言われた。 多くの人体解剖図を描き医学的にも非常に優れていたとされる。


前回の記事で、指先には無数の神経と数千の感覚受容器が集まっている、というお話をさせていただきました。ピアノを弾く人は、指先の感覚がとても重要ですから、感覚受容器について少し知っておくだけでも随分ピアノのタッチ(触覚)への意識が変わるのではないかと思っています。私達の身体よりもずっと大きなピアノを弾く時に触れているのは、ペダルを踏む足と、指先だけが唯一の接点となっています。小さな指先の点や足のつま先の接点でしかないのですが、その触れ方によって大きくピアノへ伝達される情報はかわってくるのです。


普段、ピアノを弾いている人は、ピアノに触れている指先やペダルを踏むつま先の感覚意外の感覚に意識を奪われてしまっているかもしれません。ではまず、人間が外部からのさまざまな刺激を受けたときに身体の特定の器官(感覚受容器)が感じるとる、認識できるという能力があります。その感覚的な能力とは、次のように分類されます。


(1)体性感覚(たいせいかんかく)


①表面感覚(ひょうめんかんかく)(=皮膚感覚ひふかんかく)   ②深部感覚(しんぶかんかく)


の2つがあります。


皮膚感覚には、


触覚(しょっかく)− 触れた感じ

圧覚(あっかく)− 押さえられた感じ

痛覚(つうかく)− 痛い

温覚(おんかく)− 温かい感じ

冷覚(れいかく)− 冷たい感じ


深部感覚(しんぶかんかく)には、


運動感覚(うんどうかんかく)

深部痛(しんぶつう)


(2)内蔵感覚(ないぞうかんかく)


臓器感覚(ぞうきかんかく)

内蔵痛(ないぞうつう)=(痛覚つうかく)


(3)特殊感覚(とくしゅかんかく)


視覚(しかく)

聴覚(ちょうかく)

味覚(みかく)

臭覚(しゅうかく)

平均感覚(へいきんかんかく)=(前庭感覚)


体性感覚に戻ってお話をします。体性感覚には、2つの皮膚感覚と深部感覚がありますが、皮膚感覚とは、皮膚及び粘膜の感覚のことをさしています。上記に示した通り、皮膚感覚にはいくつかの感覚に分類されており、これらの感覚を感じるための非常に小さい器官(感覚受容器)がモザイク状に分布しています。すこし専門的になりますが、


触覚− 触れた感じ・・・・・・ メルケル触板、 マイスナー小体、ルフィニ小体、自由神経終末

圧覚− 押さえられた感じ・・・ ルフィニ小体、 パチーニ小体、自由神経終末

痛覚− 痛い・・・・・・・・・ 自由神経終末

温覚− 温かい感じ・・・・・・ 自由神経終末、ルフィニ小体

冷覚− 冷たい感じ・・・・・・ 自由神経終末の


ような分類になります。感覚受容器で受け取ったシグナルは、感覚神経を通って中枢へ送られる仕組みになっています。


例えば、指先1平方センチの中には、


メルケル触板   約 750個

マイスナー小体  約1500個

ルフィニ小体   約  75個


も分布しています。下記の図を見て下さい。これは、ペンフィールドという脳神経外科医が書いた地図で、体の各器官からの(受容器の入り口)感覚皮質のどの部分に、どのくらいの領域に投射されているか面積比として表したものです。図を見てわかるでしょうか、手の面積が大きいことに気がつきます。実際の体の面積とは異なり、手や唇、顔の面積比が大きいことが分かります。面積が大きいということは、大小さまざまな感覚に対応しているということになります。


(クリックすると大きな画面で見られます)出典:ウィキペディア
(クリックすると大きな画面で見られます)出典:ウィキペディア

出典:アマゾン「脳の機能と行動」ワイルダー・グレイヴス・ペンフィールド(カナダの脳神経外科医)
出典:アマゾン「脳の機能と行動」ワイルダー・グレイヴス・ペンフィールド(カナダの脳神経外科医)

ピアノの弾くときに、手の形や指の動きに意識はしても指先の感覚(感触)を変えよう、とする人はあまりいないような気がします。

解剖学の知識を持つということは、医者のように緻密な勉強をして知識を蓄えることを目的とするのではなく、私達はあくまでも演奏という行為へ結びつけるための1つの方法論として違った角度から検証してみることで、今まで漠然としかわからなかったことへの理解を深めるきっかけとなる「新たな視点」を増やすというふうに考えていただきたいと思っています。


ペンフィールドの地図からもわかるように、手の受容器から受け取るシグナルは大きいのです。ということは、もっと鍵盤に触れている指先のほんの小さな点の感覚を敏感に感じ取る能力を私達は持っているわけですから、手の形や指の動きだけではなく、新たに、指先と鍵盤の小さな接点に触れている感覚に神経を研ぎすませてみる、ということもひとつの演奏のヒントに繋がるのではないでしょうか。



セラピスト林美希





著書「よくわかるピアニストからだ理論」(出版社ヤマハミュージックメディア)の中で解剖学について執筆させて頂きました。ピアニストの方やピアノ指導者、ピアノ研究家、熱心なピアノ愛好家、調律師等皆様のお役に立てれば幸いです。

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