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ピアニストからだ理論 <1>

からだの不思議 “解剖学のお話し”
「演奏動作と音は常に相互関係にある」

*2011~2014年まで”ameblo.jp/sinfonian/"内で「演奏のための機能解剖学」としてご紹介していた中からの抜粋です






*レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図 イタリア・ルネサンス期の万能の天才と言われた。 多くの人体解剖図を描き医学的にも非常に優れていたとされる。
*レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図 イタリア・ルネサンス期の万能の天才と言われた。 多くの人体解剖図を描き医学的にも非常に優れていたとされる。


様々な音の変化は、私達の身体の動きから生まれてきます。ピアノから生まれた音は、演奏動作の結果であり、動作は、楽曲のイメージや人間の感情に呼応していなければならないのです。動作と音が、動作と感情が相互に関係しているわけですから、音楽を作る時にはテクニックとは切り離すことはできません。


一昔前のピアノ教育では、技術偏重主義であったことはおそらく多くのピアノ学習者、指導者の方々は気がついておられるでしょう。特にハノンやツェッルニーといった練習用の作品は、「音楽的に」演奏されることはあまりなかったのではないでしょうか。もちろん、音楽的に演奏している初学者もいますので全てがという意味ではありません。ピアノの導入から初中期の段階のやさしい曲の中で、正しく音形を読み(模様読み)、拍子感やリズム、強弱、呼吸や和声の移り変わり、演奏姿勢や基本動作(パターン)など、音楽を作る上で気をつけなければならない基本的な事柄に注意を払いながら練習を行う必要があります。


繰り返しになりますが、技術は音楽とは決して切り離すことはできません。指導する際わかりやすく説明するために便宜上技術だけの話をする場合がありますが、それは人間の感情やその他のあらゆる表現をするために「技術」があるのであって、あくまでも「手段」であるということを何度も繰り返します。そうすると、音楽というのは人間の感情がまず先にあり、そしてそれを表現するための演奏動作(技術)に繋がり、ピアノに伝達され音となり、聴衆に届けられるという流れになっていることに気付かれるでしょう。


演奏者は、楽譜に書いてある情報からそれにふさわしい演奏動作を探っていかなければなりません。難しいようですが動作のパターンはそれほど多くはなく、いくつも動作パターンの組み合わせによって流れるような動きへと練習を重ねて1つの曲を作っていくわけですね。


楽譜を視覚的に読んでみる、どんな動作パターンが要求されているかということを、読譜の段階で確認していく必要があります。初学者や中級レベルまでの学習者は、先生と共に楽譜からどんな演奏動作があるかを見つけ出し、それを音楽的に演奏するためにはどんな練習方法が考えられるかを検討しなけばならないでしょう。ひとつの動作を習得するのには、正しく意識的な練習を行われさえすれば死ぬほど反復練習をする必要はないと思います。ただし、基本動作の正しい練習が少しずつ身につき良い習慣となっていればの話です。


ある特定の演奏動作が苦手だ、という場合には、(例えばトレモロやトゥリル(回転運動)、スケールアルペジオ、レガート、スタッカートetc.)正しく動作パターンを習得していないのです。動作パターンの練習の仕方を習っていない場合や、意識的に動作パターンの練習が行われていない場合、自分の身体に馴染むまで、自分のものにするまで練習が行われていない場合などは、完全に動作をパターンが身についていないわけですから、それ以上の技術の向上はあり得ませんし、不完全な技術のまま良くない癖がついていしまっている人もいるのではないでしょうか。もう一度ゆっくりとしたパターンプラクティスをある一定期間行う必要があるでしょう。これは、大人になってからでも「正確」で「意識的」な練習をすれば熟達するまでの時間や習得されるレベルは個人差があるにせよ十分に基本動作のパターン習得は可能だと私は指導をしてきた中で実感しています。


ピアノは、1つの曲を完成するまでに多大な労力と時間がかかります。ステージの上に立つまでの練習に費やされる時間はどれほどのものでしょうか。その間の精神的な苦痛にも耐えなければならないことをピアノ学習者や指導者、演奏家であれば痛いほどおわかりのことでしょう。ですから、正しく、意識的な練習が必要なのです。音楽と切り離された技術練習のみが行われたり、漠然と感情に流された練習を行ったとしても「芸術」(音楽)とはほど遠い結果になることは言うまでもありません。そして、いつまでもそのような練習が行われれば、どんなに月日が流れようとも音楽を表現するための基本となる演奏動作は身につくことはなく応用されることもないのです。間違った練習は、今すぐにやめなければフラストレーションが溜まるばかりでなく結果として挫折をすることになりかねないのです。


ピアノの練習は、正しい演奏動作のゆっくりとした反復練習と、動作から生み出される音に注意深く耳を傾け、集中し、意識的に行うことが大切です。そして付け加えておきたいことは、練習は不愉快でつまらないものではなく、音楽を創る喜ばしいプロセスであると感じる心です。音楽が仕上がるまでの時間をワクワクした楽しい気持ちで行われることが大切だと思います。

 


セラピスト林美希





著書「よくわかるピアニストからだ理論」(出版社ヤマハミュージックメディア)の中で解剖学について執筆させて頂きました。ピアニストの方やピアノ指導者、ピアノ研究家、熱心なピアノ愛好家、調律師等皆様のお役に立てれば幸いです。

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